国内ミステリ小説
岡嶋二人さんの「そして扉が閉ざされた」を読みました。 睡眠薬で眠らされ地下の核シェルターらしき場所に閉じ込められた男女4人が過去の事件の真相を推理する話です。 ページ数と内容がちょうど良く。ロジックや伏線が丁寧で意外な真相もあり間違いなく傑作…
山田風太郎さんの「妖異金瓶梅」を読みました。中国の四大奇書「金瓶梅」をモチーフにした短編ミステリ集です。 ・1950年代に刊行された小説・中国の古典が舞台・栄の時代の好色漢と、その妻と七人の妾に関わる怪事件・エログロ要素がある・レジに持って行き…
本作「人形はなぜ殺される」は「りら荘殺人事件」「獄門島」と並ぶ日本古典推理小説の名作という噂に間違いのない傑作でした。「顔のない死体」「見立て」「アリバイ」等、様々な要素のある推理小説です。 「日本三大名探偵」の一人である神津恭介の推理小説…
知念実希人さん著の「硝子の塔の殺人」を読みました。「館シリーズ」リスペクトな作品で面白そうだったので手を伸ばしました。感想を先に述べると、読んでいる時のリーダビリティは凄かったのですが、オマージュとメタミステリが強すぎて「他人のふんどし」…
西村京太郎さん著の「殺しの双曲線」を読みました。アガサ・クリスティーの「そして誰もいなくなった」に挑戦した名作と聞いたため手を伸ばしたのがきっかけです。クローズド・サークルの小説は多数あっても、本作のようなクローズド・サークルで「そして誰…
青崎有吾さん著の「早朝始発の殺風景」を読みました。 高校生が主役の日常の謎系短編集です。読み終わった後に気づいたのですがエピローグ以外は密室でやり取りしたいたようです。 「早朝始発の殺風景」始発電車に乗った男子高校生が、女子のクラスメイトと…
相沢沙呼さん著の「invert 城塚翡翠倒叙集」と「invertⅡ 覗き窓の死角」を読みました。2作とも倒叙ミステリです。前作「medium 霊媒探偵城塚翡翠 」はド派手に終わった小説だったため続編はどうなるのか期待と不安を抱きながら読みました。 invert 城塚翡翠…
青崎有吾さん著「体育館の殺人」を読みました。 第22回鮎川哲也賞の受賞作品です。受賞後に作者の青崎有吾さんは「平成のエラリー・クイーン」と呼ばれるようになったのも納得のクイーンっぽい丁寧な推理小説です。 本作の事件は、雨の中の体育館で、普段は…
青柳碧人さん著『むかしむかしあるところに、死体がありました。』を読みました。 表紙やタイトルでネタ感やトンデモ感が強く。 SNSで普段はミステリー小説を読まない方にも話題だったため「どんでん返しかな?」と先入観を持って読んだのですがしっかりした…
先日、感想記事を書いた相沢沙呼さんの『medium 霊媒探偵城塚翡翠 』に続き、同作者のマツリカ・シリーズ3作を読んだので感想を書きます。 現在『マツリカ・マジョルカ』『マツリカ・マハリタ』『マツリカ・マトリョシカ』の3作が出版されている所謂「日常の…
『medium 霊媒探偵 城塚翡翠』を読みました。色々なミステリーランキングの上位を獲得した作品が文庫本として発売されたので読みました。 霊能力(霊媒)という特殊能力を持つ主人公の翡翠は犯人はわかるものの証拠能力に欠けるためもう一人の主人公の香月史…
市川憂人さんの3作目「グラスバードは還らない」を読みました。前の2作に劣らず面白く期待を裏切らない作品でした。 ほぼ同時進行の2つの事件、ガラス張りの迷宮での密室殺人は見立てのようなものはないですが「そして誰もいなくなった」風でもあり、崩壊す…
2021年のカドフェスの帯には「初毒はミステリ、二度目はホラー。」と書いてありホラー風のミステリーは結構あると思うですが逆はあまり聞かないと思い、手に取りました。 作中でも言及されていますが、「閉鎖的な住人」「入ったら祟りが起きる山」など横溝正…
「闇に香る嘘」を読みました。 評判の良い作品なので読みましたが非常に面白い作品でした。 あらすじ 村上和久は孫に腎臓を移植しようとするが、検査の結果適さないことが分かる。和久は兄の竜彦に移植を頼むが、検査さえも頑なに拒絶する兄の態度に違和感を…
第26回鮎川哲也賞を受賞し当時から『そして誰もいなくなった』と『十角館の殺人』を彷彿させるクローズドサークルのミステリー小説と話題になった『ジェリーフィッシュは凍らない』 先月に文庫化されたため購入し夢中になって読むことができました。 個人…