辻村深月さんの「冷たい校舎の時は止まる」を読みました。
本作は講談社文庫から刊行されていてメフィスト賞受賞作ですがミステリー小説というよりも青春小説の割合が非常に多かったです。
本のページ数に思わず躊躇してしまいますが青春小説として楽しむことができれば一気読みできるリーダビリティがあります。
体感ですが全体の3分の2が登場人物それぞれの回想で悩み、過去を振り返るの繰り返しです。これが中々面白かった。
最近、読んだ恩田陸さんの「ネバーランド」と「球体の季節」とどうしても比べて読んでしまいましたが恩田さんより明確にホラー要素がありイジメといったエグい描写がありスリリングではあります。
ただ著者と同姓同名の登場人物がずっとうじうじしていて読んでいてイライラする方や登場人物達に感情移入、共感できない方には冗長に感じて読むのを挫折するかもしれません。
ミステリーとしてのサプライズはあるものの校舎に閉じ込められている現状を突破しようとする気持ちや行動が登場人物にはあまりないです。
また昨今の特殊設定ミステリーとは違いルールが曖昧で作者の匙加減な気がします。
登場人物達を校舎に閉じ込めたホストを特定する手段も論理よりも動機や感情が優先されていて推理小説として楽しめる箇所が限定的です。
推理小説としては辛口なことを書いてしまいましたが本書全般に緊張感があり一気読みすることができました。
エグい青春小説として楽しめるかどうかが全てだと思います。







