『妖異金瓶梅』山田風太郎
山田風太郎さんの「妖異金瓶梅」を読みました。
中国の四大奇書「金瓶梅」をモチーフにした短編ミステリ集です。
・1950年代に刊行された小説
・中国の古典が舞台
・栄の時代の好色漢と、その妻と七人の妾に関わる怪事件
・エログロ要素がある
・レジに持って行きにくい表紙
と読みにくそうな印象を受けますが、近年の日常の謎系のライトミステリのような読み心地で登場人物などが覚えにくい以外は読みやすかったです。
エログロ要素はありますが江戸川乱歩とは違ういつもの山田風太郎です(笑)
「金瓶梅」を知らなくても楽しめました。
本作は15+ボーナストラックの短編集です。
1950年代のミステリにしてはメタが利いている印象を受けました。
連載された短編を集めたものなので仕方がない部分がありますが、推理のある部分がワンパターンになってしまい飽きてしまうかもしれません。
しかし終盤の編になると怒涛の展開が起こります。
挫折しそうになっても日にちを開けたりして読破してほしい小説です。