積読を消化したい。

絶版を恐れるあまり、積読ばかりが増えてしまったので読書のモチベーションを上げるために開設しました。読んだ小説の感想を書いていきます。

『人形はなぜ殺される』高木彬光

本作「人形はなぜ殺される」は「りら荘殺人事件」「獄門島」と並ぶ日本古典推理小説の名作という噂に間違いのない傑作でした。
「顔のない死体」「見立て」「アリバイ」等、様々な要素のある推理小説です。

 

「日本三大名探偵」の一人である神津恭介の推理小説を初めて読みました。
1955年の小説と70年近く前の推理小説です。
時代背景のギャップはありますが、文章は読みにくいとは感じませんでした。
三人称の作者の地の文が「この後、あのような凄惨な事件が起こるときは誰も知るよしがなかった」(意訳)のような熱く仰々しいのはご愛嬌。

 

本作は神津恭介が最も苦戦した事件の一つのため、神津恭介の天才名探偵っぷりは味わえなかったのが残念。
高木氏の他の小説も読みたくなりましたが絶版が多く、本作に負けず劣らず面白いらしい「刺青殺人事件」はネタバレを喰らっているため時間を置いてから読もうかな。