積読を消化したい。

絶版を恐れるあまり、積読ばかりが増えてしまったので読書のモチベーションを上げるために開設しました。読んだ小説の感想を書いていきます。

『早朝始発の殺風景』青崎有吾 著 ネタバレなし感想

青崎有吾さん著の「早朝始発の殺風景」を読みました。

高校生が主役の日常の謎系短編集です。
読み終わった後に気づいたのですがエピローグ以外は密室でやり取りしたいたようです。

「早朝始発の殺風景」
始発電車に乗った男子高校生が、女子のクラスメイトと遭遇しお互いの目的を牽制しながら推測する話。
「メロンソーダ・ファクトリー」
3人の女子高生がファミレスにてクラスTシャツのデザイン案2択で揉める話。
「夢の国には観覧車がない」
観覧車に乗った同じ部活の男子高校生の先輩と後輩の話。
捨て猫と兄弟喧嘩」
公園のレストハウスで別居中の兄妹が捨て猫をどうするか相談する話。
「三月四日、午後ニ時半の密室」
クラス委員は卒業式に休んだ生徒の自宅に卒業証書を持っていく話。
「エピローグ」

 

「メロンソーダ・ファクトリー」と「捨て猫と兄弟喧嘩」以外の話は顔と名前は知ってるけどそんなに仲良くない関係。作中に記されていないので私の勝手な解釈では別に不仲ではないけど連絡先は知らないかもという関係。
そのためお互いに踏み込みきれない距離感と緊張感での探り合いが面白かったです。

登場人物の高校生はみんな思いやりがあるため、爽やかな読後感があるように感じた反面、謎の中身が「判明」しても「解決」していない話もありました。
高校生ゆえのできることの限界をもどかしさも感じました。
思いやりのある登場人物ばかりなので結末を全部説明しない良さだとポジティブに捕らえています。

ちなみに私は学生時代に5つの話のようなシチュエーションに出くわした記憶はないです(笑)