積読を消化したい。

絶版を恐れるあまり、積読ばかりが増えてしまったので読書のモチベーションを上げるために開設しました。読んだ小説の感想を書いていきます。

『死との約束』アガサ・クリスティー 登場人物メモ ネタバレなし

『死との約束』アガサ・クリスティーを読みました。

先に感想をネタバレ無しで述べます。
アガサ・クリスティーストーリーテラーとして優れており、比較的ボケーっと受け身で読んでいても楽しめる小説が多い印象でしたが本作『死との約束』は集中して読んでこそ楽しめる小説でした。

事件が起きるまではかなりスローテンポですが人物描写を重視しており前作『ナイルに死す』の発展作だと感じれました。
事件発生後はポアロが独りでサクサクと捜査、関係者との面談を始めるのは他の作品と共通するのですが、今作は相棒役おらずポアロと相棒との捜査の合間のやり取りがなく淡白に感じられました。
面白い小説ですがクリスティー馴れしていない方は後回しにしてもよい小説だと思ったのが正直な感想です。

 

登場人物メモ

主要人物
エルキュール・ポアロ
ホテルで偶然、男女が殺人計画について会話していたのを耳にする。

カーバリ大佐
アンマンの警察署長。『ナイルに死す』に登場したレイス大佐の知人。

サラ・キング
イギリス人の医学士。社交性があるが気が強く鼻っ柱が強いところがある。

テオドール・ジェラール
フランス人。心理学の分野で著名な医学博士。ホテルで出会ったボイントン家の人々に興味を持ち分析するのが序盤の主な話。

ボイントン家

ボイントン夫人
元女看守。この人が犠牲者になるのかどうかが序盤の見せ場?

レノックス・ボイントン
長男。30歳。ボイントン夫人の拘束、束縛が原因か無気力。

レイモンド・ボイントン
次男。通称レイ。サラと恋仲に? 

キャロル・ボイントン
長女。23歳。内向的で神経質な気性。

ジネヴラ・ボイントン
次女。通称ジニー。ボイントン夫人とエルマーの実子。妄想癖がある。

ネイディーン・ボイントン
レノックスの妻。ボイントン夫人の呪縛、拘束力に嫌気がしており独立したい。

エルマー・ボイントン
故人。元刑務所所長。妻が亡くなってからボイントン夫人と再婚

旅行者
ジェファーソン・ホープ
ネイディーンの旧友でボイントン家の旅行に同行している。
あわよくばネイディーンを略奪愛したい模様。

エストホルム卿夫人
代議士。ずっと一人で喋っている中々癖の強い女性。

アマベル・ピアス
保母。転がり込んだ遺産で海外旅行中。ウエストホルム卿夫人と大体一緒にいる。

マーモード
通訳。ウエストホルム卿夫人の世話を焼いている。

 

 

女性陣はボイントン夫人とウエストホルム卿夫人はわかりやすく癖が強いのですが、事件発生後のポアロとの面談を読んでいるとどの女性も癖が強い印象です。
一方、男性陣はジェファーソンとジェラール以外のボイントン家の男性は抑え込まれているせいか主張は少なめ。