積読を消化したい。

絶版を恐れるあまり、積読ばかりが増えてしまったので読書のモチベーションを上げるために開設しました。読んだ小説の感想を書いていきます。

『満潮に乗って』アガサ・クリスティー著 ネタバレなし感想 登場人物メモ

『満潮に乗って』アガサ・クリスティー著を読みました。
「亡き大富豪の遺産を独占する未亡人」「未亡人に遺産を独占され頼らざるをえない故大富豪の親戚」「登場人物の三角関係」「未亡人の過去を知る男の登場」「第2次世界対戦の影響」と横溝正史さんの『犬神家の一族』に影響を与えたと思われる要素の詰まったミステリ小説です。

事件が起きるのは半分近く読んでからですが、それまでは不穏な空気を読者に感じさせつつ登場人物の人間模様を丁寧に描き「誰が殺されるのか?」とスリリングさを感じさせるのはさすがクリスティーといったところ。

読み終えるとトリックよりもドラマを重視している作品だと思いました。
正直、ラストが駆け足に感じたこと、三角関係の決着にはモヤモヤしました。
比較的、知名度の低い作品のようですが、もっと多くの方に読まれてほしい小説です。

登場人物メモです。ネタバレは避けますが、個人的な印象も記載します。

ゴードン・クロード
大富豪。第二次大戦中の爆撃で死亡。

ロザリーン・クロード
ゴードンの未亡人。
ゴードンと結婚する前にロバート・アンダーヘイと結婚していたが死別。
クロード一族には教養はなくレディではないが人柄は良いと思われている。
戦争の影響か神経衰弱、今でいうPTSDのようになっている。

デイヴィッド・ハンター
ロザリーンの兄。
ロザリーンの資産を守っているためクロード一族からは嫌われている。
リンにちょっかいを出す。

リン・マーチモント
本作のヒロイン?
ローリィと婚約中。
戦時中は従軍していた。その経験で価値観が変わりローリィとすれ違い中。

アデラ・マーチモント
ゴードンの姉。リンの母。

ジャーミイ・クロード
ゴードンの兄。弁護士。
横領していて埋め合わせのための資金がほしい

フランセス・クロード
ジャーミイの妻。
肝が座っている印象。

ライオネル・クロード
ゴードンの弟。
医師

ケイシイ・クロード
ライオネルの妻。
霊界を信じている。

ポーター少佐
冒頭に登場。
その場にいない人の噂話が好き。総スカン。

ロバート・アンダーヘイ
故人。ロザリーンの前夫

イノック・アーデン
「ロバート・アンダーヘイは生きている。証拠はある」
と言いロザリーンとデイヴィッドに接触してくる。