『パディントン発4時50分』アガサ・クリスティー
アガサ・クリスティー著「パディントン発4時50分」を読みました。
ミス・マープルの友人、マギリティカ夫人がパディントン発の列車に乗っていると隣を並走する列車で行われている殺人現場を目撃。
翌日の新聞にそれらしい記事がないため2人は警察に相談。
警察は列車内や線路沿いを捜査するも死体は発見されない。
というのが冒頭のあらすじです。
本作はミス・マープルが体調不良のため超有能フリーランス家政婦ルーシーに頼み死体がありそうな邸に潜入させます。
またロンドン警視庁のクラドックが足で事件を捜査します。
本作はリーダビリティが良く私が読んだクリスティー作品のなかでもトップクラスだと思うのですが、真相解明が衝突に感じました。
スパイ小説、警察小説としては有りかもしれませんが本格ミステリーとしては無しに感じてしまったのが正直なところです。
特に 伏せ字「犯人を特定する決め手がマギリティカ夫人に直接、容疑者候補の後ろ姿を見てもらう」というのはいただけません。せめてその場面がドラマティックなら良かったのにと思います。
読み終えて不満を覚えてしまったので揚げ足取りになるかもしれませんが、登場人物のほぼ全ての人がルーシーに好感を抱いており疑心暗鬼なスリリングさが無かったことも残念に思います。
不満点ばかり述べましたが読んでいて面白かった一冊です。